山陽新聞の「探訪ザ・カンパニー」のコーナーで弊社が紹介されました。
掲載日時:2019年6月15日
【以下全文】
ハル技術研究所(岡山市)
自動車や農業機械の部品を加工する工作機械を手掛ける。
標準品として応用範囲が広い「汎用機」と、目的に合った切削や穴開けに特化した「専用機」に大別される工作機械。ハル技術研究所は後者を専門とする。「顧客それぞれで求める性能が微妙に違い、宿題をもらいながら作り上げる。いわば『オーダーメイド』です」と万代晴夫社長が話す。
穴の内部を削る「ブローチ盤」、表面を切削する「フェーシングマシン」など製造する機械は多岐にわたる。中でも力を入れているのが、自動車部品「デフケース」用の工作機械だ。デフとは、コーナリングで左右のタイヤに生じる回転数の差を調整する部品。複数のギヤが収まるケースの内側は、球面と平面を組み合わせた複雑な形状で、特殊な加工を要する。
会社は、万代社長の父が2003年に設立した。07年に経営を引き継いだ直後、リーマンショック(08年)で受注が半減する苦難に見舞われる。しかし、それが転機になった。「競争力をつけるため、何か武器を作りたい」と取り組んだのがデフケースだった。
韓国の部品メーカーからの依頼でデフケース用工作機械を開発。見本市に出展するなどして受注を増やし、納入先をタイ、インドネシア、メキシコなどに広げていった。今では会社全体の売上げの6割を占める。
昨年から新たな挑戦も始めた。EV(電気自動車)に搭載するデフケース専用機の開発だ。岡山県の助成金を活用し、小型・軽量化につながる機械を目指している。
万代社長は「どんなデフケースでも加工する機械を作る自信がある。町工場が世界で戦えることを示したい」と意気込む。