山陽新聞に弊社の記事が掲載されました(2020年6月23日朝刊)

山陽新聞に弊社の記事が掲載されました。

掲載日時:2020年6月23日

【以下全文】

デフケース新型加工機

工作機械製造のハル技術研究所は自動車のスムーズな走行に欠かせない部品「デフケース」を加工する新型機を開発した。複数のギアが入るケース内部を球面に加工できるのが特徴。部品の小型化が期待できるため、軽量化が進む電気自動車(EV)向けに受注を増やしたい考えだ。(大島望)

デフは車が曲がるときに内側と外側のタイヤに生じる回転差を調整する部品。複数のギアが複雑にかみ合って回転するため、それを収めるデフケースも特殊な加工が必要になる。同社では穴開けや内部の加工などを一体的に行う専用の複合工作機を開発してきた。

これまでデフケースの内側は曲面と平面を組み合わせた形状に切削していたが、新型機はほぼ真球に近い球面に加工できるように改良。従来の切削加工に加え、デフケース自体を高速回転させながら、内部に半円形の工具を当てて削る手法を導入したことで実現した。この技術で特許を出願済み。

内部を球面にしたデフケースは既に多くの欧州者が採用するほか、ギアが収納しやすくデフの小型化につながるため、航続距離の延伸に向けて軽量化が進むEVにも搭載が見込まれている。新型機は加工のプログラムや切削工具の調整を経て、来年に発売する予定。価格は1台1億円弱になる見通しで、年間5台の販売を目指す。

同社はデフケース専用の工作機械が売り上げの約半分を占め、国内では4~5割のシェアを握っているという。万代晴夫社長は「国内での販売を伸ばすとともに、中国やタイなどにも売り込みを図りたい」としている。

ハル技術研究所は2003年設立、資本金300万円、売上高約8億円(19年11月期)、従業員35人(パート含む)。